クレーン船が送電線を損傷したために起きた、首都圏での大規模な停電について、事故を起こした三国屋建設は、停電による間接的損害についての損害賠償責任はないとの見解を発表した。
これはまったく妥当な見解だ。
事故を起こしたクレーン船は、まったく不注意というほかはなく、その責任は免れ得ない。もちろん三国屋建設がである。しかし、1系統の送電線の損傷が、100万世帯以上の停電につながったことは、東電側の事情である。
東電は、クレーン船がバックアップ線をも損傷したため、停電につながったと説明した。しかし、ひとつの事故で同時に機能しなくなるようなものは、バックアップとは言わない。
東電のバックアップは、あくまでも機器故障など、内部的な原因で生ずる障害に対応しているのだろう。今回のような、東電の免責となる外部的原因に基づく事故に対しては、十分なバックアップ措置を行っていないことを示唆している。
今回判明したことは、東電は基幹送電線のトラブルに対して、3時間程度の停電を許容していたということだ。これが、東電の想定どおりであったかどうかはわからない。お盆休みで電力需要が低かったかもしれないし、夏だから高かったのかもしれない。しかし、少なくとも数時間の停電が、免責の範囲内で起こるということは明確になったわけだ。
数時間の停電が本当に困ったことにならないよう、利用者は自衛手段を講じなければならないことになる。
ここでも自己責任が顔を出す。われわれがなんとなく思っている「電気はいつもくるもの」という常識は、これまで電力会社が実現してきたものだ。デフレによって不必要なコストがかけられなくなってしまった現在、さまざまな商品やサービスの品質は明らかに低下している。従来当たり前だと思っていた品質レベルが満たされなくなくなり、それへの対応は、低価格を享受したユーザーの責任となったのだ。
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